
訪問歯科診療・口腔ケア開始
超高齢化社会を迎え、日本の医療は大きなパラダイムシフトを迎えています。病床数は削減され、有病高齢者の受け皿は病院ではなく自宅あるいは高齢者施設へと移り変わります。この有病高齢者を在宅あるいは施設で見守っていくには、医療、介護、福祉を包含した地域包括的医療の枠組みが必須となり、国は喫緊の課題としてこれに取り組んでいます。 この枠組みの中で歯科医療は大変重要な課題を抱えています。まずは訪問歯科診療・口腔ケアの重要性についてです。現在日本の死因第3位は肺炎であり、これは口腔内の細菌が原因となる誤嚥性肺炎が主たる原因ですので、適切な口腔ケアが重要なのですが、何らかの障害や疾病を抱え、要介護状態となった有病高齢者はなかなか自身で口腔ケアを行うことができません。介護を担う家族や医療従事者であっても専門的知識がなければ適切な口腔ケアは行うことはできません。こういった専門的な口腔ケアや口腔機能管理は口腔を扱うプロフェッショナルである歯科医師や歯科衛生士にしかできない極めて専門性の高い処置です。ですので本来であればこういった包括医療の枠組みに歯科医師や歯科衛生士が